Research

最新の研究成果がプレスリリースとして国立天文台とALMA観測所から公開されました。詳しくは以下のリンクからご覧ください。
国立天文台: https://www.nao.ac.jp/news/science/2023/20230620-alma.html
ALMAhttps://alma-telescope.jp/news/stellarseeds-202306

重い星は軽い種からできる

アルマ望遠鏡を用いて、太陽よりも8倍以上の質量をもつ星、大質量星が誕生すると期待される領域でこれまでにないほど多くの”星の種”を発見しました。 このような統計的に有意なサンプルを用いることで、天文学の未解決問題の一つである、大質量星がどのようにできるのかを議論することが可能になりました。 過去最大のサンプルを注意深く調べることで、雲に埋もれていた星の種の質量や密度、分布などを明らかにしました。 従来の小質量星形成モデルでは、星の種は形成される星の質量の2~3倍ほど重い必要がありますが、それとは矛盾して、大質量星の種はガスをさらに集める必要があることを意味する結果が得られました。 これらの結果は、大質量星は小質量星とは異なる星の形成メカニズムが存在することを示唆しています。

図1 アルマ望遠鏡で明らかになった赤外線暗黒星雲の内部構造の想像図。星の材料であるガスと塵の分布を、密度が高くなるにつれ青から白色で表している。また、形成されたばかりの赤ちゃん星の中には、ガスを噴出するものがあり、ピンク色で表されている。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), K. Morii et al.

図2 アルマ望遠鏡で観測した39領域の塵の分布。Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), K. Morii et al.

この研究成果は Kaho Morii et al. “The ALMA Survey of 70μm Dark High-mass Clumps in Early Stages (ASHES). IX. Physical Properties and Spatial Distribution of Cores in IRDCs ” として、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に2023年6月19日付で掲載されました。 (doi: 10.3847/1538-4357/acccea)

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